3月末にたま君と野沢に行ったのが着火材になって、スキー熱また再燃しまして、週末ちょっとしたことしてきました。いやはや今までの山行で一番の厳しさだったかもしれません。
スキーはゲレンデが、一番です(笑い)。
行程は次の通りです。
土曜日
室堂~雷鳥沢キャンプ場 スキー滑走
雷鳥沢キャンプ場~剱御前小屋 スキー登山(泊)
日曜日 6時過ぎスタート
剱沢~二股 スキー滑走
小窓雪渓スキー登山
小窓のコル~西仙人谷~白萩川~馬場島スキー滑走午後4時到着
5年前ヨーロッパアルプスど真ん中120キロ縦走というオートルートを完走して、満足感が出てしまい、すっかりご無沙汰していた山スキー。
昨年、多賀谷ガイドや、友人が、剱岳周回ツァーで、パウダースノーを堪能したと聞き及び、羨ましくなり先週初めに今年行かれますかと聞いたところ、週末同じコースお客さん一人いるので、行きますよとのこと、そこで、急遽参加させてもらうことになりました。
前日スキーを取り出してみると、エッジに錆が着いている、これはいかんと慌てて、サンドペーパーや錆取り液を使って手入れし、ワックスがけをしました。
シールにも入念にワックスで手入れ。
現地では、軽量金具の、TLTの使い方も、忘れてしまっていて、着脱や金具調整に一苦労。
スキー靴は、滑走時と歩くときと、レバーを換えないといけないことすら忘れてしまっている、やばいやばい。
山スキーのみならずスキーは昨年が0。今年もゲレンデスキーは正味2日ほど。それでも従来のように滑れたので、何とかなるだろうと高をくくっておりました。
しかし、日本の山での山スキー、特に剱周辺のワイルドな山スキーは全く状況が違っておりました。
さて、土曜日、9時半頃に立山駅に到着すると車で満杯。一番端っこの第三駐車場にかろうじて車を止めることが出来ました。中国語が飛び交う待合室で待つこと約1時間半、10時50分発のケーブルカーに乗車しました。
室堂は晴天に誘われて、台湾人を中心とする観光客やスキーヤ-、ボーダー、登山客が大挙して押し寄せておりました。
例年のゴールデンウィーク並みの大人気。
多賀谷ガイドは、立山黒部アルペンルートは、観光客重視で、登山客は歓迎されないんだよとぼやいておりました。
県からもっと早く開けないのかと言われ、立山の厳しい状況をわかっているのかという山小屋関係者の声がTVで紹介されておりました。
案の丈、開通初日は、荒天でバスは運休する羽目に。
土曜日の予定は、剱御前小屋までなので、「みくりが池温泉」で、ゆっくり昼食をとり、まずは雷鳥沢キャンプ場まで、滑り降りました。キャンプ場には、カラフルなテントが並び、向かいの雷鳥沢には、これから登る人と滑走してくる人など思い思いに春スキーを楽しんでいる人で一杯。
大日岳は雪庇がものすごい。
この日宿泊の剱御前小屋は、4月28日がオープン日。
今回特別に泊めてもらうことが出来ました。
今回同行したT君は、前夜駐車場泊、4時から切符売り場に並び、6時始発に乗って朝9時には剱御前小屋に着いて、別山へ登って、真砂沢を滑ってきたとか。いやはや凄い気合いの入れよう。
T君まじめな顔つきのサラリーマンだけど、話の端々にいろんな遊びをし、あちこちに旅行に出掛けて独身生活を謳歌していることが窺える。とと、スキー板も一緒、カメラも一緒(しかも、彼は交換レンズ3本持参)、しかも旅好き、もしかして同類人種?
小屋は館内中ストーブをがんがん焚き、天井にたまっている氷を溶かしている。木曜日から、晴天3日目、剱が夕陽で染まる。
日曜日は、長丁場。
楽しみにしていた剱沢の長大な雪渓は、朝早かったので、アイスバーン状態で、スキーが想像以上にピューと走り、軽い幅広の山スキー板では調子に乗るとすってんころりん。
しかもザックが8㎏くらいあるので、いったんこけると起き上がるのが一苦労。
滑るにつれ雪がゆるんできて、平蔵谷、長治郎の雪渓、源治郎尾根などを見ながらゆっくり滑り、仙人池ヒュッテにあがる分岐点の二股に到着。
他には誰もいない、正しく剱岳独り占めです。
二股から目の前に三の窓の雪渓が広がる。目指す小窓雪渓は、途中で分かれて進む。
前日は久しぶりだったので、息が上がりそうでしたが、この日は、順調に小窓のコルに到達。途中有名なチンネの岩壁が左手に見える。ここは多賀谷さんの仕事場。
さていよいよ今回のメインイベント、西仙人谷滑降。
まずは、50~60M続く約40度の壁。こけたら前方に控える左右の岩に激突必至。幸い雪はゆるんではいるものの、とは多賀谷さんにザイルでつないで貰って、おそるおそるずるずると横滑りで必死の思いで、滑り降りました。
そのあとしばらく快適な滑りが出来たのもつかの間、巨大なデブリ帯が出現。まるでロデオのようになりながら、必死に進む。多賀谷さんはそんな中をすいすい進む。漸くそこを抜けて大窓からの白萩川に合流。しかもここも状況は変わらない。白萩川の雷岩下部では、雪渓がところどころ割れ始め、途中二か所は、岩壁に人一人がかろうじて通れるくらいの箇所を通過。
このコース、下りより登りがよほど楽だ。
有名な池の谷ゴルジュは、泥や岩で、真っ黒になっている。
スキーを脱いだりつけたりしながら、漸く白萩川堰堤に到達。
そこから馬場島までもスキーをつけたり、脱いだりしながら蕗の薹や桜が咲き始め、春らしい景色が漂う馬場島に着いたのでした。
年寄りにはオーバーワークもいいところ。月曜日から階段の上り下りがあいつつ、あいつつです。